中日企業は提攜拡大の好機 中米貿易戦爭の陰で伸びる外資

2019-10-11 15:24:40

中日企業は提攜拡大の好機 中米貿易戦爭の陰で伸びる外資

 

陳言=文

今年6月下旬の大阪サミット(G20)での中米首脳會談で、米國側は中國の対米輸出製品3000億?分に対する追加関稅を見送ると表明した。ところが8月1日、米國側は態度を変えて、中國製品に対する第4弾の追加関稅を9月1日に実施すると宣言した(8月21日現在)。これまでの中米貿易交渉と異なり、米國側が6月末に追加課稅見送りを発表した時だけでなく、8月に突然、追加すると言い出した時にも、中國メディアは大騒ぎしなかった。

筆者はこの7、8月、在中國日本企業の役員らと懇談する機會が何度かあった。內容は過去2年と同じで、中日関係よりも中米関係について意見交換することが多かった。特に世界経済全體が下振れしている現在、中米の一挙手一投足が大きく作用する狀況下で、中米経済のトレンドを見極め理解することは、間違いなく企業経営に対して大きな意義を持っているからだ。

ここ2年余り、多くの日本企業の役員と何度も會っている。その度に社內で1、2時間は話し込み、その後、懇親會などに席を移し、さらに2時間余り話し合う。どうしても同じ話の繰り返しになりがちなので、データは常に新しくしておかなければならない。また、新たな動向を仕入れておくことも必要だ。そうした取材を通し、中米、中日関係で筆者がどのような変化を感じているかというと――。

 

激減した中國の対米投資

 米國が中國製品に対する追加関稅を実施した場合、通常考えられる展開は以下の4點だろう。①中國からの輸入量の米國による抑制②追加関稅による企業の中國離脫、一部企業の対米投資への転換、米國企業の本國への撤退③米國企業の対中投資減少④中國経済の成長の減速。

 米中貿易摩擦が起きてから1年余り経過し、現狀とこれまでの予想が大いに異なっていることは明白だ。

 この間、『ニューヨーク?タイムズ』の記事が、米國産業界の目を中國の対米投資急減に向けさせた。記事は次のように報じた。中國の米國への海外直接投資(FDI)は、ピークだった2016年の465億?から昨年は54億?に激減し、減少率は88%にも及んだ。中でも中國の投資家に人気の高いシリコンバレーのスタートアップ企業や不動産業、金融部門と、一部の州の製造業の損失はとりわけ深刻である。

 不動産で言えば、中國は23億?に相當する物件を購入した。だが商業地區の廉価在庫処分は31億?に達し、投げ売りがブームとなり、中國の住宅購入投資は56%下落した。データによると、中國のミシガン州、ケンタッキー州に対する投資額は16年には100億?に達していたが、昨年には一気に1億6500萬?にまで激減。この落差を地元の両州政府は深刻に憂慮しているという。

 米國は多くの外資を受け入れているが、當然、中國からだけではない。だが外資の総額から見れば、やはり米國の狀況は芳しくない。今年第1四半期に導入した外資純額は513億?で、この數字は一昨年同期の897億?と比べて37%減。16年同期の1465億?と比べて65%減少している。米國世論は、外資導入の減少は貿易戦爭と米國の外資審査の引き締めに関係がある、と考えている。

 発展の速度から見ると、今年前半の中國の國內総生産(GDP)成長率は6?3%で、昨年同期の6?8%と比べると低いかもしれないが、米國も低下している。國際通貨基金(IMF)のデータによると、米國は昨年通年の成長率2?9%に比べて、今年は2?5%に低下している。経済規模から言えば、米國の下げ幅が中國に比べて小さいとは言えない。

 

米國の対中投資は急増中

 資本の動向は最も忠実に経済の現狀を反映する。では、中國が導入している外資は、中米貿易戦爭の影響を受けているのか否か?

 中國商務部(日本の省に相當)が今年7月11日に発表したデータでは、今年前半の中國の実行ベースでの外資導入額は前年同期比7?2%増だった。世界のFDIがここ數年連続して下落している狀況の中で、中國における外資導入が逆に上昇しているのは、資本の中國市場に対する期待を如実に物語っている。

 皮肉なことに、トランプ米大統領が中國攻撃に全力を挙げていた今年第1四半期に、米國企業の対中投資は前年同期比71?3%増という急激な伸びを示した。また日本やドイツ、韓國等の主要経済國の対中投資も増加した。

 外資の中國への流入は、資本と多國籍企業の市場に対する期待を最も裏付けており、巨額の追加関稅の下でも中國への外資の情熱が冷めていないことを物語っている。これは、中國が一連の開放政策を推進しているからだけではなく、主に世界が製造の中心や市場としての中國の潛在力を重視しているからである。

 そこで、外資導入の面で、米國の方が貿易戦爭と保護主義政策で被っている損失は、中國よりはるかに多いか否かはさておき、日本企業の中國における反応について述べたい。

 

712日、四川-日立創新交流會であいさつする東原敏昭日立製作所社長(寫真提供?筆者)

 

日本車のシェアは拡大

 

 英紙『フィナンシャル?タイムズ』のニュースを引用する。7月30日付の同紙は、「フォードの中國側パートナーである長安汽車の生産臺數のデータ分析から、今年前半のフォードの中國工場における生産能力に対する利用率はわずか11%で、この間のフォードの販売臺數は前年同期比27%下落した」と報じた。中國の自動車市場で米國車が低迷する中で、トヨタやホンダ、日産などの販売臺數は増えており、日系企業と米國系企業の違いは明らかである。

 

 しかし筆者は、日本企業の好調は米國企業の不調によってもたらされたとは見ていない。なぜならば、現在の日系企業の中國における成功は、その経営方針が中國市場の需要に合致し、その製品が中國の消費者のニーズに応えてきたからだ。

 

 自動車メーカー以外の日本企業の役員らからも話を聞いたが、この1年余り、中國における販売狀況に大幅な陰りが見えるという話は聞いたことがない。日本企業は自動車以外に、主に素材産業や環境保護、高齢者介護の分野で活躍している。米國企業の関心は半導體、金融サービスに特化している。米國が貿易戦爭を発動して以來、米國の政策により米國企業は中國における市場開拓の機會を失いつつある。日本は今後、半導體や金融サービスの分野でハイペースで中國市場を目指すと思うが、今のところ筆者はまだその気配を感じてはいない。

 

 米國が中國に仕掛けた貿易戦爭は、日本企業の中國における業務には影響を與えていない。中日企業の提攜は今後ますます拡大する可能性を秘めている。
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